おまとめローンで借り換えるときに注意することを教えてください
カードでのキャッシングを5箇所やっていて、返済がすごく大変になっています。消費者金融2社とクレジットカード3つです。
クレジットカードにはショッピング枠の他にキャッシング枠が付いていて、それで借りています。
おまとめローンで借り換えれば、返済が楽になるとききますが、やり方によっては、失敗することもあるとききます。
おまとめローンで借り換えるときに注意することを教えてください。
おまとめローンで重視するべきなのは、金利と安心感です
おまとめローンで借り換えるときには、金利と安心感を重視してまとめ先の金融機関を選ぶ、というのが大切なことです。
おまとめローンの目的は、金利を低くして返済を楽にすることですから、金利を重視するのは当たり前のことだともいえます。
でも、注意して選ばないと、最も低い金利の金融機関を選んだつもりでも、実際の金利はそれほど低くならなくて失敗したといったケースもあります。
多くのおまとめローンの金利は、5%~17%といったように示されていますが、実際に借入れようとする金額のときにどの金利になるのか、しっかり把握してから比較しないと失敗します。
金利5%~17%の金融機関よりも、金利7%~18%の金融機関のほうが、実際の金利では低くなるということもあり得ます。
実際に適用される金利は、下限金利と上限金利だけから推定できるものではありません。実際の金利は、借入額と、利用限度額の上限値と、下限金利、上限金利で決まってきます。
ここでは例示しませんが、実際の金利が示される金利のイメージと逆転するようなケースは、決して稀というわけではありません。
おまとめローンの金融機関を選ぶときに、ことのほか注意しなければいけないのは、安心感のある金融機関を選ぶということです。
おまとめローンを装った『一本化詐欺』または『おまとめローン詐欺』というものが横行していますので、これに会わないようにするためです。
安心できる金融機関の選び方はとても簡単です。メディア広告をたくさん打っている大手の金融機関を選べば良いだけです。
テレビCMなどで有名な金融機関であれば間違いありません。詐欺グループがテレビCMを打つことは、まず考えられません。
中小の金融機関にも、良いおまとめローンはありますが、よく知っている金融機関でないのであれば、避けたほうが安全です。
(⇒中小金融機関のおまとめローンのメリット・デメリット)
おまとめローンで注意したいのは、金利と安心感ということですが、その前に、よく考えたほうが良いことがあります。まとめる方法として、おまとめローンが最適なのかどうかということです。
おまとめローンを使わなくても、カードローンをひとつに絞って、その利用限度額を増額すれば、うまくまとめられることもあります。自力での一本化です。
自力での一本化が可能な場合には、おまとめローンよりも、金利の点で有利になることが多いですし、なによりも審査が楽です。
利用限度額の増額の審査は、インナーネット上でとても速く行うことができますが、おまとめローンの審査ではそうはいきません。
おまとめローンの審査は、普通、数日から10日程度はかかるものですし、必要な提出書類もネット上でアップロードといったわけにはいかず、郵送か窓口への持込が必要になります。
自力での一本化でも、おまとめローンでも、実用的な返済計画が立たないといったケースもあります。
この場合、無理やりおまとめローンでまとめてしまっても、結局は、返済計画が破綻してしまうことになります。
そういったケースでは、債務整理を考えるべきです。信用情報は傷つきますが、法律事務所に相談して、任意整理などを考える必要があります。
おまとめローンと借り換えをうまく使いわけよう
複数の会社から融資を受け、それぞれの返済日に合わせてお金を工面する負担は精神的にも大変なものです。
そこで、「返済日を一つにして返済計画の管理を容易に」「返済総額が安くなる」といった「おまとめローン」の広告が救世主のように見え、目が行くのも無理はありません。
確かに、このローンによって返済日は1つになります。しかし、返済総額は必ずしも安くはならないのです。
その原因の一つは、おまとめローンの利率です。既に複数の金融機関から借り入れをしているので、このローンの利用者は例外なく貸し倒れリスクが低くない人と見られます。そこで、利率も高めに設定されてしまうことが多いのです。
それで、もし毎月の返済金額を低く設定すれば、返済期間が長くなって返済総額がかえって多くなることが珍しくありません。これでは何のために「おまとめ」したのかわからなくなります。
そこで、考え方を少し柔軟にしてみましょう。「おまとめ」だからといって、全てのローンを1つにしなければならないということはないのです。
計算するか司法書士に相談するかして、まとめることによって確実に返済金額が安くなるローンを見極め、それをおまとめローンの対象にしてみるのです。
または、最も返済金額が大きいローンはおまとめローンと切り離し、借り換えによって返済金額の軽減をしてみるのです。
ただし、おまとめローンを利用する際に気をつけるべき点があります。
利息制限法以上の利息になっている、いわゆる「グレーゾーン金利」で支払った利息は、法律の専門家に相談すれば過払い金として払い戻されるケースもありますから、そちらの方が返済金額が安くなる、という場合もあります。
自分がどの方法をとれば最も返済金額が低くできるかは、なかなか自力で計算するのは難しい面があります。
自分で勉強して正しく計算したつもりでも、やはり専門家でない場合の限界がありますので、「街の弁護士さん」である司法書士に相談するという選択肢も考えてみるべきです。
【参考ページはこちら】
複数のキャッシングをした場合の対処法