一本化詐欺とか聞きますが、おまとめローンの実態はそれですか？

一本化詐欺とおまとめローンは、まったく違うものです

一本化詐欺は、おまとめローンを装った詐欺です。なので、一本化詐欺はおまとめローン詐欺とも呼ばれます。

一本化詐欺は、おまとめローンとはまったく異なるものです。もちろん、おまとめローンの実態が、一本化詐欺だというようなことは一切ありません。

おまとめローンの本質は、多重債務者の返済を楽にして元本を減らしていけるようにすることにあります。

多重債務者とは、月々返済できる額が、利息分に及ばず、その結果、借入残高が雪だるま式に膨れていく人です。

多重債務者の場合、利息分が減らせれば、つまり金利が低くなれば、月々の返済額で元本を減らしていくことが可能となり、多重債務状態を脱出できることがあります。

おまとめローンでまとめることで、これが可能になるわけです。

複数の金融機関から借入している場合、ひとつひとつの借入額や利用限度額は比較的小さいので、金利はかなり高くなっているのが通例です。

カードローンであれば、利用限度額が小さいほど金利は高くなるのが普通です。

おまとめローンでひとつにまとめると、大きな借入額または利用限度額になるので、その分金利は低くなります。

金利が低くなれば、月々支払う利息の額も減って、減った分を元本の返済にあてられるというわけです。

また、複数の金融機関から借入している場合、返済日も、定額返済の額も、バラバラですから、キャッシングの全体像が把握できにくくなっています。

うまく管理することもできませんから、なにを改善すればよいのかもわからなくなります。悪化するばかりです。

おまとめローンでひとつにまとめれば、管理しやすくなり、対策を考えやすくなるというメリットもあります。

おまとめローンは、多重債務者救済のためのキャッシングといってもよいのですが、実際には多重債務者でなくても利用できます。ひとつにまとめて、金利を低くするために利用するわけです。

もちろん、これは悪い使い方ではありませんし、金融機関としても、むしろ歓迎する使われ方です。金融機関としては、他社の顧客を自社に取り込めたということになるわけです。

おまとめローンにも、審査があります。多重債務者であれば誰でも利用できるといったものではありません。

年収が低かったり、収入が不安定だったりすれば、返済能力が低いと判断されてしまい審、査には通りません。

多重債務者救済のためといってはいても、まとめた後の返済計画が立たないような多重債務者には、お金を貸せないのです。貸したとしても、それでは何も解決しません。

おまとめローンの審査に落ちた多重債務者は、他のもっと審査に通りやすそうなおまとめローンはないかとさがします。

みつかればOKですが、みつからない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのが、ほとんど唯一の解決策です。信用情報に傷を付けることになってしまいますが、任意の債務整理などを行うことになると思います。

おまとめローンはメリットのあるキャッシングですが、それを装って悪用するのが一本化詐欺、または、おまとめローン詐欺です。複数の借入をしている人に対して、おまとめローンのメリットを餌にして声をかけ勧誘します。

たとえば、まとめるための条件として借入件数が足りないから、などという理由で、さらにキャッシングを申込ませて、それで借りたお金を預かってしまったりします。もちろんそのお金は戻ってきません。

極端に金利が低かったり、極端に審査の甘いおまとめローンは、一本化詐欺の可能性があるので、注意が必要です。